桜坂なかやまこどもクリニック

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2014.11.26
[カテゴリ]講演会
講演会-小児の耳鼻科領域

さいたま医療センター耳鼻咽喉科教授 飯野 ゆき子先生の講演がありました。
中耳炎貯留液の検査では細菌性が70%と多く、うちウイルスの重複感染を15%に認めたとのこと。
またウイルスが重複感染すると、中耳腔内細菌のクリアランスが遅滞し、抗菌薬の中耳腔移行が減少、炎症性mediatorの産生が亢進する、などの悪影響があること。細菌性の起因菌としては、肺炎球菌とインフルエンザ菌が多く、重複感染はやや月齢の高い両側性中耳炎児で多く、抗菌薬治療に抵抗性で反復性、遷延性中耳炎になりやすいとのことでした。
 反復性中耳炎の定義は、過去6カ月以内に3回以上、12カ月以内に4回以上急性中耳炎を繰り返す場合で、2歳未満、保育園児、受動喫煙、薬剤耐性菌感染、頭蓋顔面奇形を伴う口蓋裂、Down児などがリスクであること。対応としては、肺炎球菌ワクチン接種、適切な抗菌薬(肺炎球菌でのオラペネム、インフルエンザ菌でのオゼックス)、十全大補湯があること。改善がみられない場合は鼓膜換気チューブ留置の適応となるが、自然経過で2歳になると反復性中耳炎は激減するということでした。
 



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